名古屋で観た「ワース命の値段」2019年米国製作2時間余のシネマ。あの2001年の9.11テロで犠牲となった遺族と被害者の補償金分配を担当した弁護士を主人公に描いた実話の社会派シネマでした。訴訟大国の米国で、敏腕と評される主人公がチームを率いて独自の計算式を駆使して7000人余もの被害者遺族の保証金額の算定にあたります。しかし不倫問題、夫婦喧嘩、災害以後の死亡から遺族が抱える様々な事情や遺族らの喪失感、絶望等々いくつもの算定できない難題や矛盾に直面、さらに反対派の弁護士を中心とする拒絶運動ももり上がり、被害者補償は頓挫の危機となります。この苦境の局面にあって主人公のとった行動がこのシネマの主題、憶測と偏見を排して現在に横たわる現実に立ち向かうこと、その大切さを描くシネマ鑑賞です。