先日の夕刻シネマで、「ナポレオン」2023年アメリカ製作2時間半余を鑑賞。今までに「戦争と平和」とか「ワーテルロー」等で彼ナポレオンがシネマに登場する作品はいくつか観た記憶はあるのですが、今回の作品は彼の半生をメインとした作品だけに当時の時代環境の中で彼が刻んだ人生の軌跡をじっくりと鑑賞できて、私にはおおいに理解を深めるシネマとなりました。19世紀初頭の西欧は封建社会から近代資本主義社会へと移行を開始する激動期、特にフランスは大革命を体験、ルイ16世を処刑して唯一の国民国家を樹立しますが議会が大混乱を極める中、好機とみたドイツやオーストリア侯国の干渉戦争が開始されます。ここに機知と軍才に富むナポレオンが執行官として登場、果てに皇帝に即位する栄光と挫折への歴史を展開します。シネマは彼の伴侶への想いを軸に進む内容となっていますが、しかしやはり彼の生涯と共にヨーロッパの近代歴史や市民の暮らしなどを丁寧に偲び俯瞰する一大スペクタクルなシネマ鑑賞のことでした。