先週末に観た「ソウルの春」これは2023年韓国製作の2時間余のシネマです。1970年代末に韓国民主主義の存亡を揺るがした軍部のクーデター事件を基に未記録部分は創作部分も交えながら映像化した歴史シネマ、昨年の韓国で観客動員数で第1位の大ヒットを記録したドラマシネマです。1979年末に長年の韓国政権の独裁者であった朴正熙大統領が側近に暗殺され、それまでの圧政に対し民主化を期待する国民の声が高まります。しかし陸軍内の秘密組織を率いる全斗換らが独裁者の座を狙い粛軍クーデターを強行します。軍人として祖国平和の信念に基づいて張泰玩らの暴走を阻止する為の9時間ものソウル市内での攻防がリアルに描かれます。最近の韓国社会では民主化を願う国民の声の高まりを背景に、「タクシー運転手」「KCIA南山の部長たち」「1987、ある闘いの真実」等々、骨太な社会シネマもいくつか製作され各話題となっています。古来、韓国は国内外の侵略と干渉の中で激動の歴史を刻む国。これもまた韓国の現代史を知る圧巻の歴史シネマ鑑賞のことです。
