先日に伏見ミリオン座で観た「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」、これは2025年公開ノルウェー・パレスチナ合作1時間半余の長編ドキュメンタリーシネマです。ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住区に住む青年と彼の活動を支えるイスラエル人青年との交情を4年間にわたり記録した映像をベースに製作されたシネマです。パレスチナ住民や幼い子どもたちの眼前で、家や小学校や水道や電気施設等ライフラインを壊されて強制的に追放されていくという、彼らの逃げ場のない故郷の現実が映像として描かれます。荒れた丘の向こうから大挙してやって来た大型ショベルカー群が子どもたちの前で家や学校をバリバリと壊し廃墟化して走り去ります。イスラエル軍は抵抗する住民に銃で威嚇し殺傷すらも法で裁かれない実態が風景として映し出されます。中東パレスチナで今も国家の名で強圧する凄まじい衝撃的な事実と、しかしまたこの現実に立ち向かう彼らの姿に心も震えるシネマ鑑賞のことです。