先日にシネックスで観たシネマ「TATAMI」は2023年アメリカ・ジョージア合作で製作し2025年公開の実話をベースにした社会派ドラマシネマです。イスラエル出身の映画監督と自身も俳優として登場するイラン人女性監督の共同演出によるこの作品は、東欧ジョージアで開催された女子世界柔道選手権がその舞台です。主人公のイラン女子柔道選手はトーナメント試合を順調に勝ち進んでいき金メダルを賭けた試合目前を迎えますが、その時にイラン政府直々に敵対国イスラエルとの対戦を避けるため試合を棄権するよう命令が下されます。彼女へイラン全土から勝利への声援の中、過去にも棄権指令を体験した監督と女子選手の2人には自らの身の安全と人質にとられた家族にも危険が進行する中で怪我を装って政府に服従するか、命令に抗い自由と尊厳のために挑み戦い続けるのかという人生最大の決断が迫られます。本作品はすべて秘匿状態で撮影が進められ、当映画に参加したイラン出身者は全員亡命、イランでは現在も上映不可とのこのシネマです。当製作者たちのシネマ芸術に対して未来を切り拓く正義と使命への強い想いを感じまた受けとめるポリティカルシネマ鑑賞のことです。