先にシネックスで観た「ケナは韓国が嫌いで」は2024年韓国製作の1時間半余のシネマです。これは現代の韓国社会を舞台に、生まれ育った場所で生きづらさを感じる女性が新たな人生を模索する姿を描いたヒューマンドラマです。人種をはじめ地域や学歴、経済状況などでの格差や差別が蔓延しているとされる韓国社会で競争を勝ち抜いて幸せを掴んでいこうとする価値観や生き方と、敷かれたレールを走るのを良しとせず、本当の居場所や幸せは何なのか道を切り拓こうとする価値観がせめぎ合う、そんな韓国社会を題材にシネマは描きます。どう生きていくのかに答えはないのだと思います。そんな中で今の韓国社会に留まらず、将来や生きる事に不安や悩みを抱える現代の人々に生きていく事へ背中を推すような、ヒューマンシネマ鑑賞のことです。