先の休日に、続けて観たシネマ「大河への道」。どこの街や地域でも、「大河ドラマの舞台となって全国に」との思いは多かれ少なかれ共通なもの。似たような思いを持つ個人的な興味からも、タイトルに惹かれシネマを観た次第でした。中学社会科でも学んだ記憶のある伊能忠敬の生涯を鑑賞後に調べてみると、鎖国とはいえ日本近海に諸外国が出没し始める江戸後半期にあって、商才を発揮して財をなし飢饉に私財を拠出したエピソードや、隠居して一線を引いた後、江戸に出てすでに学んでいた天文学や暦学を究めます。そして蝦夷地北海道の測量を皮切りに、東北から九州に至るまで17年間にほぼ全国を測量し、誤差を最小限に抑える天文学を駆使しながら、高い精度をもつ日本地図全図を完成させ、この成果は後100年程の国家運営の統治資料として活用されるといういわば大河ドラマにふさわしい大人物です。映画は立川志の輔「伊能忠敬物語-大河への道」が原作となり、その創作落語に感動した主演を演ずる中井貴一が担当したとか。他に松山ケンイチ、北川景子、橋爪功はじめ名配役が脇を固め、過去に現代に展開を盛り上げます。それだけに軽妙な時代劇とともに、少し「あれもこれも過ぎ」かな、とも思うシネマ鑑賞です。