先日の鑑賞作品は「ベイビーブローカー」。これもまた先のカンヌ映画祭での2冠作であり、先のシネマ「万引き家族」の是枝監督による2時間余の韓国映画であるとの興味から観たシネマ。体面を重んじる韓国では世間の偏見を避けるため出生届が出せない乳児の遺棄やベビーボックスへの預け入れが日本以上に急増しているとのこと。映画は土砂降りの雨の中、赤ちゃんポストの前に赤ん坊を置くシーンより始まり、なりゆきからその子を闇斡旋するブローカー2人と若い母親、さらに尾行する女性刑事2人らの、釜山からソウルまでの養父母探しの旅行行程が描かれます。曲折し次第に変わる各々の関係と想いをつうじて、生まれて生きていくことへの心情が語られます。そして最後に行き着く境地がまた、なかなかの圧巻のもの。さすが、さすが是枝監督です。彼らの思いに大いに賛意を送る韓国シネマ鑑賞でした。