尚一層、作家重松清が描く世界への興味が尽きず、いろいろと探索した2作シネマ。まずは、2017年製作「幼な子われらに生まれ」。内容はというと、バツイチ同士の主人公とその妻と連れ子の2人娘との計4人家族の幸せな毎日に、妻に新たな命が誕生することで、それぞれの心に不安が生じ、やがてそれは波乱と亀裂にまでに至ります。そしてそれぞれの激しい葛藤の果てに、やがて生まれる新しい気づきについてシネマは描きます。続くシネマは、2019年製作「泣くな赤鬼」。高校野球部の監督として鬼のような熱血指導をおこなってきた主人公が、今は熱意はすでに衰えて病院通いする毎日にあって、偶然にもかつて野球部を途中退部した教え子に会うことからスタートします。そして彼が抱える病状とその関わりをつうじて主人公の行動と心の変化を描きます。これまたなかなかのシネマ鑑賞でした。重松清の作品は、いろいろな事件やドラマなど多岐多彩多様に描かれていますが、常にそこには優しく前を向いて歩もうとする人の本性が描かれます。ソンナ姿勢に共感する、数々のシネマ視聴のことです。