この正月休にシネックスで映画「大きな家」を鑑賞、2024年日本製作2時間余のドキュメンタリーシネマ、斎藤工による企画・プロデュースのもと東京のある児童養護施設が舞台です。死別・病気・虐待・経済的問題など様々な問題で親と離れて暮らす子ども達が、血の繋がりのない他の子どもや職員らと暮らす姿に密着した作品です。両親への思いや生活を身近で支える職員との関係性や学校や施設内の友だちとの距離感や18歳となり施設を出て後の暮らし等々、葛藤を抱えながらも成長し育っていく姿がルポルタージュされ描かれます。作者の意図により子どもたちの家庭事情には言及せず、今を生きる子どもたちの声や心の動きに焦点を当てて日常風景のみが描かれます。飾る事のない子どもたちの発する言葉が観る私たちの胸に刺さり深い洞察と感慨となります。子どもたちのプライバシー保護のため館内で手渡しのようににのみ上映とのこと。2時間余に渡るドキュメンタリーでむしろ私たちが明日に生きる勇気も湧くような、そんな趣深いシネマ鑑賞のことです。