先週、待望の封切り放映で即ちに観た「こんにちは、母さん」は松竹製作2時間余のシネマです。山田洋次監督が吉永小百合を主演の母親役に迎え息子役には大泉洋が扮して、隅田川に面した東京下町に生きる家族の人間模様を描く人情ドラマ。原作は劇作家永井愛の同名戯曲のシネマ化とのこと。年を経て息子が久し振りに家に帰ると、今まで割烹着を着ていた母が洒落て艶やかな身なりも整えていて、心を寄せる方まで在る事からシネマはスタートします。そしてその変化は、離婚と娘の家出を抱え職場の重圧にも耐えかねている人事部長である息子と、娘に扮する永野芽郁の生き方にまで優しさの波紋がひろがります。母の温もりや人との出会いを通じ、観ている私たちも含めて見失っていたものに、ふと気付かされる人間ドラマの鑑賞のことです。