「しんがり 山一證券 最後の聖戦」を鑑賞。これまた先に紹介した「石つぶて」の原作者清武英利によるノンフィクション小説を原作にしたwowow連続ドラマ全6作です。1997年に自主廃業した山一証券にあって、多くの社員が再就職に奔走する中、会社に踏み留まって、経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員たちのドラマです。この〝しんがり〟社員を中心に当時の破綻を取材し作品にした著者の小説は、やはり講談社ノンフィクション大賞を受賞したとのこと。(Wikipedia)バブル崩壊の最中のこの破綻は、当時大阪で職に就いていた者として、事件の衝撃や泣きつぶれる社長の記者会見など鮮明に記憶にあり、北海道拓殖銀行の閉鎖等々、景気大崩壊という事実を体験する重大要素となっています。真相究明に執念をもやし奮闘する江口洋介率いる内部調査委員会のメンバーの葛藤が、人間ドラマとしてそれぞれに胸を突く数々の展開をはらみ決して飽きることなく、ドラマは熱く進行します。鑑賞後、ただしかし、企業人として事件の事実究明には至るものの、一人間としてこの事件を振り返った時に、事件全容を評価する地点はまだ遠く、実は道半ばなのでは、とまた思うこのドラマ鑑賞でした。