ネットフリックスで「イギリスとブリッツ」を鑑賞、これは2025年イギリス製作5月配信1時間半余のドキュメンタリーシネマです。「ブリッツ」とは第2次世界大戦中にヨーロッパ大陸を席巻したナチツドイツ軍が、海峡を隔てた強国イギリスを占領すべく約8ケ月に及ぶ継続的な爆撃作戦のことでドイツ語で通称「稲妻(いなづま)」の意とのこと。連続的な恐怖爆撃によってイギリスの士気をくじき戦争遂行能力を破壊する目的で実施し、首都ロンドン以外にも主要な工業都市や港湾を対象に飛来爆撃し大損害を与えました。当時の瓦礫と化したロンドンの街並み、激しい空中戦、炎上と戦う消防士たち、空襲から避難場所を探す市民らの苦闘、集団で疎開する子らのシーンと声等々、随所にカラー描写されていて身近な事実の再現として映像提供されています。アドルフ・ヒトラーの凍る脅迫的な演説と共に、英国ではウィンストン・チャーチルが廃墟下の市民への激励訪問と拍手や「自由と尊厳を守る戦い」とする国民を鼓舞するラジオ放送も映像化され、爆撃の犠牲者を助ける人々、戦闘機を整備する女性エンジニア、夜間の灯火体制と監視員の姿等々、余すことなくイギリスに襲った象徴的な史実全容を著すドキュメンタリーともなっています。イギリスは国の総力を結集し激しく反撃しドイツの野望を頓挫させることに成功。ヒトラードイツはイギリス降伏を果たせぬまま転戦しソ連と対峙する東部戦線へと大転換し、やがてそれがドイツ帝国崩壊への道へと繋がります。20世紀半ばのヨーロッパ現代史を深く知るドキュメンタリー鑑賞のことです。