この先日、大阪で所用合間に観たシネマ「英雄の証明」。今年のイラン作品でタイトルやポスターイメージから勝手に大胆なアクションシネマと思って鑑賞、しかししかし内容は淡々としたシネマ。借金を抱える主人公が善意ある行為によって社会とマスコミの注目と狂騒に巻き込まれることに。それがある噂によって状況は急展開し恋人と主人公の人間としての本領が、丁寧に描かれます。真面目に地味に生きる主人公と、周囲の各々にもそれそれに言い分と生活があり正義と道理をふりかざし対決し、その不条理に翻弄されます。その機微を描く本作品ですが、私にはその描かれている人間の倫理観と共に、互いに支え合い思いやれる社会風土や社会水準の問題についてリアルに迫る必要も感じる本シネマ鑑賞でした。