先日に観た「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」2024年米国製作25年公開2時間半余のシネマ、フォークからブルース、ロックンロールまで演奏し歌手として初めてノーベル賞を受賞したボブ・ディランの若き日を描いた伝記ドラマです。1960年代のキューバ危機や米ソ冷戦そして黒人公民権運動やベトナム反戦運動を背景に若者文化も激しく変化する時代の中で、無名の青年ボブ・ディランがスターダムに駆け上がっていく軌跡が描かれます。「風に吹かれて」はじめ多数の楽曲が世界中で歌われました。音楽上の女性パートナーとなるフォーク歌手ジョーン・バエズや先輩シンガーのウディ・ガスリーら有名な多数のミュージジャンとの関わりも丁寧に描かれて彼が時代の寵児であり「若者らの代弁者」として世界を魅了させ翻弄する姿が描かれます。特に彼の才能が溢れ創造する新曲が多いが故に営利を求める興行主や聴衆らの要望に乖離してしまい混乱や失望も生ずる場面等もリアルに描かれます。ボブ・ディランが表現したい自分自身の情熱と軋轢に苦悩し葛藤する様にしみじみと感慨するドラマシネマ鑑賞のことです。