先日、待望の封切り上映で観た「シャイロックの子供たち」松竹製作2時間余、大いに愉しめる作品でした。阿部サダヲ主演で下町の銀行支店を舞台に10億円の大口融資の獲得に端を発し、パワハラ、過酷なノルマ、儲け至上主義のモラル低下や本店を含む組織体質の歪みがリアルに描かれます。巨悪の不正に抗いきれず家族を抱えながら良心との狭間で苦闘し奮闘する行員らの姿も登場し、金融を巡る欲望も入り組んだ世界とその顛末まで、私たち目線で見ごたえ十分なシネマ展開となります。やはりまた働く者らを励ます池井戸潤のワールドを十分に愉しめた映画鑑賞のことでした。