「盤上の向日葵」2025年日本製作2時間余のシネマを鑑賞、これは作家・柚木裕子の同名小説を坂口健太郎と渡辺謙との共演で実写映画化されたヒューマンミステリーシネマです。昭和から平成へと続く激動の時代を背景にして、過酷な人生を生きる天才棋士の光と闇を交差する流転の人生が丁寧に描かれます。そして彼に大きな影響を与える渡辺謙が扮する駆け将棋の道を進む狂気の真剣士の存在が、主人公が歩む裏社会という狂気と悲哀の世界を一層に過酷にし、事件を発端に被害者や容疑者の謎、血筋を巡る性にまで奈落に落ちていく過程を描きます。自身の宿命を背負いながらもしかし尚「生き切ろう」とする姿か鮮烈です。どっぷりと柚木裕子特有の深く暗い世界観が進行します。将棋世界をつうじ日本社会の一端が悲哀と共に描かれる、このシネマ鑑賞のことです。


