DVDで観た「潜水艦クルスクの生存者たち」、2018年ルクセンブルク製作2時間余のシネマです。内容は2000年に起きたロシア海軍の原潜クルスクの沈没事故を題材としたノンフィクション小説を原作に。生々しくリアルに事故を再現実写化したシネマ、100名余の乗務員を擁する大型原潜での事故をつうじて、ソ連崩壊と深刻なロシア経済低迷の中で、形骸化し破綻する海軍の実状と、何よりも生命より国家の権威を優先する権力者の糊塗と、それを鋭く見抜く市民の視線を対置させ、今のロシア社会の諸相を描きます。製作者の脚色はあるものの、また現代社会を凝視するシネマ鑑賞のことです。