先日にシネマで観た「あんのこと」、2024年製作日本2時間余の人間ドラマで、これの作品監督が2020年6月に掲載された新聞記事に着想を得て脚本を作成した実話シネマとのこと。観ていて実に衝撃的な社会派シネマ鑑賞でした。内容は幼い頃から母親に暴力を振るわれ売春を強要、麻薬と過酷な人生を送ってきた主人公が傲岸でしかし人情味のある刑事に出会いうことで転機に。彼と雑誌ジャーナリストらの支えを受けながら、荒廃した家を出て仕事と住まいを得てやがて厚生の道を歩み始めます。しかし突然に世界と日常生活を襲ったコロナ禍の襲来は、ささやかな暮らしと努力は破壊して孤独と絶望の中で人として生きる事をも奪い去ります。日本社会に潜む貧困の闇にあって、形を変えながら貧困と孤独による不幸が起こる現実をまた垣間見るシネマ鑑賞でした。主人公に扮する河井優美、そして刑事の佐藤二朗はなかなかの好演。