ネットフリックスで観た「歩いても 歩いても」、少し前の2008年製作1時間半余のドラマシネマで監督は是枝裕和氏です。阿部寛が扮する次男が家族を連れて開業医である老父母の実家に帰省する風景からドラマはスタート。医院を継ぐはずだった長男の事故死を今だに父母は不満に思い、まだ失業中である次男と父との確執や、次男と再婚した子連れの妻は義母との微妙な折り合い等々のそれぞれの所作に、それぞれが一生懸命に生きてきた人生であることが精緻に描かれていきます。そこはさすがに是枝監督、派手な演出やナレーションなど一切に皆無、しかしながら淡々とエンドまで描かれる映像に、皆それぞれ精一杯に生きていることを人生として讃歌する、ドラマシネマ鑑賞のことです。