これも2021年アメリカの西部風ドラマ映画、タイトルは「クライ・マッチョ」。監督・制作・主演をクリント・イーストウッドが務めた作品。彼といえばかつてはガンマンシリーズやダーティハリーなど激しいアクション俳優ながら、晩年ともいえる最近は「グラントリノ」や「配達人」など、穏やかでむしろ良心的ともいえるアメリカ映画の製作者のひとりです。テキサスで元ロデオ界隈でのスターだった主人公が落馬事故で人生は暗転し一人暮らし。雇い主から10代の息子をメキシコの別れた妻より依頼され取り戻す逃避行が映画の舞台です。メキシコ警察や母親が放った追っ手との格闘を通じて、主人公の生き方や少年との心の通わせ合いが映画の主題です。自分らしく生きること、理不尽さには正しく憤り立ち向かうこと、与えられた恩義や親切には報いて礼儀を尽くすこと、何よりも自分のことは自分で決めて、いわばマッチョに男らしく生きること。人生にはいろいろと回り道もあるけれど、淡々と堂々と今を愉しみ生き抜いてゆくこと。観ていて、そんな語りを彼から暗黙に伝えられる、このシネマ鑑賞です。