デンマーク映画の今年度作「その瞳にうつるのは」を鑑賞。1945年のデンマーク・コペンハーゲン。全土は未だナチスドイツに占領支配されている中、レジスタンスの救出を目的に、イギリス本土より急降下爆撃機を使用してナチス司令部を爆撃するという離れ技的な、ピンポイント攻撃を計画実行したという戦争実話。人口密集した都市だけに近くには寄宿舎学校があり、ナチスの本部には、防御の盾として捕虜も配置される中での爆撃が敢行されたという、デンマークでは、この史実はよく知られる事件のシネマ化だったのでは。映画は、衝撃で言葉を失いながらももまた取り戻す少年や、学校の教師や住民とその数々の子どもたち、ナチス兵士などのそれぞれの目線で、この戦争史実を経過を追って描きます。爆撃と共に、誤爆や火災と建物倒壊の中で、生きながらえる者、命を落す人たちのそれぞれの言葉と表情を、慎重に丁寧に描きます。今のウクライナでの侵攻惨事と重なる今日だけに、深く深く戦争という惨禍な行為をみつめ考える、このシネマ鑑賞です。