「石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの」を鑑賞。2017年wowowでテレビドラマ化されたとの事で、この度Netfiixでこれを鑑賞。60分8回シリーズで、その迫力と進行する内容が描く腐食構造の巨大さ、それを明らかにせんと挑戦する展開の面白さに大いに圧倒された次第。内容は2001年に起きた「外務省機密費流用事件」を捜査した警視庁捜査二課の刑事たちと、それに抗する外務省官僚との捜査格闘を描く社会派サスペンスです。主演に佐藤浩市、その上司に江口洋介、ノンキャリア外務官僚を演ずるのは北村一輝と、進む捜査過程の臨場感を支える役割機関の各々の俳優の演技水準は最高潮でもはや脱帽の域。もとは新聞社会部記者を務めた清武英利による書き下ろし作品で当時の大賞受賞作品とか。2000年開催される九州・沖縄サミットを舞台にした、女性問題含む数億円にも及ぶ不正蓄財の資金源と、その根幹に横たわる国家財政の闇にまで及ぶ、現代の日本の社会と統治構造を縦に割って俯瞰するような社会物となっているのでは。最後にまで鑑賞し、腐敗の構造と、それに挑み虚構を打ち砕こうとするエネルギーのある集団群像に、また拍手を送りたい、熱くまた爽やかな社会派映画の鑑賞でした。
